ニキビ跡の赤みを消すには?赤みの原因と鍵を握るターンオーバー

ニキビがやっと治ったと思っても、意外と悩まされてしまうのが赤いニキビ跡。色が色だけに目を引いてしまうため、すぐにでもなんとかしたいと悩んでしまいますよね。
この記事ではニキビ跡が赤くなる原因から、改善のために不可欠なターンオーバーとその正常化についての説明をしています。
ニキビ跡が赤くなる原因は?
ニキビそのものは治っているのに、赤みだけが残ってなかなか消えないのはなぜでしょうか。
まず、ニキビそのものはアクネ菌により過剰に炎症を起こしている状態にあります。ニキビそのものが回復しても、炎症により破壊された周辺組織を修復するために、そこに集まるように新たに毛細血管が作られたり、部分的に毛細血管が太くなったりといった現象が起こります。それにより血液の赤みが透けて見え、赤いニキビ跡として肌に残ってしまうのです。
さらに炎症のダメージにより、その部分の皮膚がほかより薄くなっているため赤みが透けやすくなることも、ニキビ跡が目立ちやすくなる要因のひとつとなっています。
どのくらいで消えるの?
ニキビ跡が赤くなるメカニズムがわかったところで、とにかく気になるのはどのくらいの期間で消えるのか?ということですよね。
結論から言うと、約半年は赤みが残り1年以上かかることもあるとされます。
そんなに!?と愕然としてしまう人もいるかも知れませんが、色素沈着した茶色いニキビ跡やクレーター状に凹んでしまったニキビ跡などと比べると症状が軽いため、まだ治しやすいと言われているんですよ。
赤いということは細胞が肌を回復させようと戦っている状態ということなので、その状態のうちにきちんとケアすることで改善を後押しすることができます。
ニキビ跡の赤みを改善する鍵は、ターンオーバーを正常に保つこと!
そのためにやはり欠かせないのはターンオーバーの正常化。
一般的にはストレスや生活習慣によりその周期は乱れがちな上、年齢を重ねるとともにどんどん遅くなっていくと言われていますよね。しかし、最近ではその定説は覆りつつあります。
大手メーカーの研究所のデータなどから、実はターンオーバーが早すぎる人がほとんどで、遅いと区分される人はめったにいないということがわかっています。これは毎日のクレンジングや洗顔により、自然なターンオーバーの作用を待たずして角質を取り除いてしまうことで、ターンオーバーが過剰に進むためと考えられています。
「ターンオーバーが遅いより早いほうがいいんじゃないの?」と思ってしまいそうですが、早すぎるのも良くありません。
まだ留まっているべき角質が剥がれ、育ちきっていない細胞が角質層に上がってきてしまうことになるため、肌のバリア能力や保湿能力が満足に機能せず乾燥や肌荒れを招きやすくなります。さらにそうした細胞は未熟であるために剥がれやすく、クレンジングや洗顔ですぐに取り除かれてしまい、ターンオーバーはどんどん早まり悪循環を招きます。
結果、肌の修復が満足に進まないため、ニキビ跡の赤みも治りにくくなってしまうというわけですね。
でも、だからといってクレンジングや洗顔をしないわけにもいきません。理想的なターンオーバーの周期に近づけるためには、次の3つのことがポイントになります。
ケアのポイント1:保湿をしっかり行う
どんな肌状態のときでも、保湿をきちんとすることは必ずといっていいほどアドバイスされますよね。ターンオーバーが早まっているときも同じことが言えます。
前述したように、未熟な細胞ではじゅうぶんな機能を果たせないためデリケートな状態になっています。乾燥を感じるようになっていることも多くあり、保湿をしっかり行うことで、その状態を補いつつ角質を保護して細胞が育ちやすい環境を整えてあげることができますよ。
皮脂膜の代わりを作ってあげるイメージで、クリームなどを使うのも良いでしょう。

ケアのポイント2:刺激を避ける
デリケートな状態の肌をケアし続けるには刺激を避けることも重要です。
特に、ニキビ跡が気になってついやりがちなのがピーリング。ターンオーバーが早まっている状態の肌にピーリングを行ってしまうと、さらに角質を剥ぎ取ってしまうことになるためNGです。
洗顔の際はこすらず泡を優しく転がすように洗う、タオルでごしごし拭かない、化粧水をコットンで塗布する際も激しくパッティングしない、など普段やりがちな行動に気をつけてみてください。
それから、ターンオーバーが早まりすぎていると肌が荒れて、いつも使っている基礎化粧品でも刺激を感じるようになることも。その場合は低刺激のものに取り替えて保湿を続けてくださいね。
紫外線そのものも肌への刺激となりダメージとして蓄積されるので、日焼け止めの使用も忘れないようにしましょう。
ケアのポイント3:必要な栄養素を意識して取り入れる
やはり体の内側からのケアはとても重要。体は食べたもので作られるので、日々の食事から肌状態を良くするための栄養素を意識して摂取するよう心がけましょう。
とくにおすすめの栄養素は下記の通り。
タンパク質
細胞そのものを作り、コラーゲンの材料となるタンパク質がないと始まりません。野菜類より摂取する機会が多いイメージですが、ダイエットなどにより意外と不足している人も多いんですよ。
肉類、魚介類、卵、大豆製品、乳製品などをしっかり食べましょう。
ビタミンA
紫外線から肌を守りながら健康な皮膚や粘膜の形成を助けるビタミンAは、エイジング対策にも不可欠な栄養素。妊娠している場合は摂取量が制限されるので気をつけましょう。
レバー類、うなぎ、乳製品、緑黄色野菜などに含まれています。
ビタミンB群
代謝に働きかける役割を持つビタミンB群。エネルギーを生み出すとともに、皮膚や神経の生産を助けてくれます。特に、肌荒れや吹き出物を防ぎ皮脂の分泌をコントロールする働きを持つビタミンB2、摂取したタンパク質の利用効率を高め、細胞の新陳代謝を促すビタミンB6は美容のためにも欠かせません。
ビタミンB2はレバー類、うなぎ、卵、きのこ類、納豆など、ビタミンB6はかつおやまぐろなどの赤身の魚、ささみなど脂質の少ない部位の肉、にんにくなどに含まれています。
ビタミンC
美肌に欠かせない栄養素と言われて真っ先に思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
メラニンの生成を抑えてコラーゲンの増加を助け、ターンオーバーを正常に整え、活性酸素を抑制しアンチエイジング効果も期待できます。またストレスの緩和にも効果があるとされるため、精神面から肌への悪影響もガードしてくれます。
柑橘類、いちご、キウイ、赤ピーマン、じゃがいもなどに含まれています。
亜鉛
肌のための栄養素、と思うとビタミン類ばかりに気を取られがちですが、亜鉛も重要です。
ビタミンCとともにコラーゲンの合成を行うとともに、タンパク質の合成に大きく関わるため細胞分裂に影響を及ぼします。
牡蠣、あわび、うなぎ、赤身肉、豆類、乳製品などに含まれています。
食物繊維・乳酸菌
便秘は美肌の大敵。便が滞留し続けることで腐敗が進むとフェノール類などの有毒物質が発生し、それが血液に乗り肌に届くことで肌状態が悪化してしまいます。食物繊維で便の状態を良くしながら大腸の蠕動を促し、乳酸菌で腸内バランスを整えましょう。
食物繊維は寒天、切り干し大根、きくらげ、海藻類、豆類などに含まれており、乳酸菌はヨーグルト、納豆、キムチなどの発酵食品から摂るのがおすすめです。

ケアのポイント4:質の良い睡眠を取る
就寝から2~3時間ほどの眠りが深くなったころに、いわゆる「お肌のゴールデンタイム」を迎えます。傷んだ細胞の補修や再生を促す成長ホルモンが多く分泌されるので、眠りが浅くならないよう質の良い睡眠を取るよう心がけましょう。
入浴してしっかり体を温める、暴飲暴食を避ける、寝酒は控える、スマートフォンなどをベッドに持ち込まない、アロマを利用するなどの方法がおすすめ。
まとめ
赤いニキビ跡は、時間はかかるもののセルフケアで治すことが可能です。体の外側と内側から根気強くケアを続けて、均一な肌色を取り戻しましょう。
ケアに集中しているあいだは、コンシーラーを活用して赤みを隠して過ごすと良いですよ。
また、どうしても即効性を求めるのなら、美容クリニックで治療を受けるのも手です。お金はかかりますが、赤みや色素沈着に有効なタイプのレーザーも用意されています。