【専門家監修コメント】ピーリングの効果は?ホームケアとケミカルピーリングの違いも

古い角質を取り除く「ピーリング」は、肌のターンオーバーを整えることを目的とした角質ケアです。そんなピーリングは、どのような症状に効果を発揮するのでしょうか?
そこで今回は、ピーリングの効果について解説します。自宅でできるホームケアと、医療機関でのケミカルピーリングの違いも確認しておきましょう!
Contents
ピーリングの効果は?
「ピーリング」とは、肌のターンオーバーを整える角質ケアです。肌の表面にある不要な角質を取り除き、古い角質を新しい角質に変えることで加齢や肌トラブルによって周期が遅れた肌のターンオーバーを促進します。
- ニキビ
- シミ
- 小じわ
- 毛穴の開き
- 毛穴の詰まり
- ザラつき
- ゴワつき
- たるみ
- 黒ずみ
- くすみ
- そばかす
- 色素沈着
- 乾燥肌
ピーリングによって肌のターンオーバーが正常化すると、シミや黒ずみの原因となるメラニン色素が排出されるため症状が改善されるといわれています。また、ピーリングで角栓を取り除くことで毛穴の詰まりが解消されるため、鼻やあごの気になる黒いポツポツを除去できます。
自宅でできる「ホームケア」
ピーリングには大きく2つのタイプがあり、自宅でできる「ホームケア」と医療機関で受けられる「ケミカルピーリング」に分けられます。その2タイプは、効果はもちろん方法やメリット・デメリットも異なるため、自身の肌の状態やライフスタイルに合わせて選びましょう。

効果
ホームケアでのピーリングは、医療機関で受けられるケミカルピーリングに比べると効果が穏やかではありますが、毛穴の詰まりや肌のザラつき、くすみ、吹き出物に効果があると言われています。
最近ではピーリング効果だけでなく、保湿や美白といったプラスアルファの効果が期待できる商品も登場しています。
また、心地良い香りやテクスチャーの商品を使用するとリラックス効果も得られるでしょう。
方法
一口に「ホームケア」といっても、自宅でできるピーリングにはさまざまなタイプがあります。ホームケアに使用する代表的なアイテムには、
- 洗顔石けんタイプ
- クレンジングを兼ねたタイプ
- 塗って洗い流すタイプ
- 塗ってから擦って落とすタイプ
- 洗い流さないタイプ
上記のようなものがあります。
ホームケアとしてピーリングを行う場合は、肌が敏感になっている朝の使用は避けるのが無難です。そもそも肌のターンオーバーは寝ているときに行われるので、ピーリングは夜の入浴時に行うのがベストでしょう。
ピーリング剤を肌にのせるときにもポイントがあります。
通常、洗顔やクレンジングは界面活性剤を肌に触れさせる時間をできるだけ少なくするために、すぐに流すのが基本です。しかし、ピーリングは酸の種類や濃度によって差はあるものの、肌にのせたら数分待つのが正しい方法だと言われいます。
すぐに流してしまうと期待通りの効果が得られない場合があるので、使用する前に説明書きをチェックしておきましょう。
商品によって使用頻度は異なりますが、ほとんどの商品が週1~2程度のスペシャルケアとして取り入れることを勧めています。通常の洗顔やクレンジング、マッサージジェルに比べると刺激が強いピーリングは、むやみに使用すると吹き出物や肌の赤みといった肌トラブルが悪化する可能性があります。
肌トラブルの悪化を避けるためにも、使用する際は必ず説明書きの指示に従いましょう。
ホームケアのメリット
ホームケアの場合は医療機関で受けられるケミカルピーリングに比べて使用頻度は高くなりますが、通院の必要がありません。忙しい人でも手軽に角質ケアが行えるというのは、ホームケアの最大のメリットと言えるでしょう。
また、プチプラのピーリング剤であれば1,000円前後で手に入れられるのも嬉しいポイントです。
さらに、ホームケアはケミカルピーリングのように施術後に赤みや水ぶくれなどの症状が現れないため、気軽にスキンケアに取り入れられることもメリットのひとつ。ピーリング初心者でも失敗しにくいので、角質に悩まされている人はまずホームケアを試してみるといいかもしれません。
ホームケアのデメリット
ホームケアでのピーリングは、ケミカルピーリングのような高い効果は期待できません。「濃くなったシミを薄くしたい」「吹き出物を治したい」という人には、少々物足りなく感じてしまうかもしれません。
医療機関で受ける「ケミカルピーリング」
自宅で手軽に行えるホームケアに対して、より高い効果が期待できる「ケミカルピーリング」。美容皮膚科や皮膚科、美容整形外科、一部のエステティックサロンで行われているケミカルピーリングは、医療行為にあたるため医療機関でのみ受けられます。
効果
医療機関で受けられる「ケミカルピーリング」は、ニキビ・毛穴の詰まり・小じわ・小さなシミに効果が期待できます。ニキビに関しては白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビに対する有効性が報告されており、塗り薬とあわせてケミカルピーリングで治療を行うことで炎症を抑えられると言われています。
しわに関しては、深く刻まれた真皮じわにはボトックスやヒアルロン酸注射などの治療が必要になりますが、浅いしわや小さなしわであればケミカルピーリングで対処できます。
方法
ケミカルピーリングは、ホームケア用のピーリング剤より強力なフルーツ酸やサリチル酸、トリクロロ酢酸などの薬剤を使います。それらを肌の状態に合わせて混ぜ合わせたり、濃度を変えたりして使用しますが、場合によっては予算に合わせて薬剤を変更することもあります。
ケミカルピーリングの方法は医療機関によって異なりますが、一般的にはクレンジングや洗顔でメイクや肌の汚れを落とした後に、ピーリング剤を顔の上の部位から下の部位へと塗布します。その後5~10分ほど経過したら、ピーリング剤を拭き取って冷やしたタオルやガーゼでパックして終了です。
ケミカルピーリングのメリット
ケミカルピーリングはホームケアのピーリング剤に比べて高濃度の薬剤を使用するため、高い効果が期待できます。また、医療機関で施術を行うため、万が一肌トラブルが生じた場合に適切な対処が望めることもメリットのひとつでしょう。
ケミカルピーリングのデメリット
ケミカルピーリング後には、水ぶくれや小さいかさぶた、肌の赤みが生じるというデメリットがあります。それだけ肌が敏感になっているということなので、ケミカルピーリング後は入念な保湿と紫外線対策を行う必要があります。
また、1,000円前後でケアできるホームケアに比べて費用が高くなることも覚えておきましょう。
費用は施術する医療機関によって異なりますが、相場は1~3万円と言われています。施術回数や施術する部位が増えるほど費用も高額になるので、クリニック選びは慎重に行いましょう。
ピーリングの注意点
多くの美容効果を得られるピーリングですが、間違ったケア方法を続けていると思わぬ肌トラブルに見舞われることもあるので注意しましょう。とくに肌が敏感になっているピーリング後は優しく丁寧にスキンケアを行い、保湿を怠らないように気をつけてください。
また、生理前や季節の変わり目、肌の乾燥がひどいとき、強い紫外線を浴びた直後のピーリングはNG。ホームケアでのピーリングで肌に異変を感じたら、すみやかに使用を中断しましょう。
まとめ
角質を取り除くピーリングには、手軽に行えるホームケアと高い効果が期待できるケミカルピーリングの2タイプがあります。ピーリング初心者さんは、まず濃度が低いピーリング剤を使用したホームケアから試してみてはいかがでしょうか?