保湿力の高いファンデーションの成分は?「リキッドタイプは肌が潤う」は錯覚?

スキンケアだけでなく、ベースメイク用品にも保湿力を求めている方も多いのではないでしょうか?乾燥肌の方のなかには「乾燥するからといって、メイクしないわけにもいかないし…」と悩みを抱えている方もいるでしょう。
イメージ的にはパウダーファンデーションより、リキッドタイプやクリームタイプの方が保湿力が高そうですよね?しかし、実際には「リキッドタイプは肌が潤う」というイメージは錯覚なのだとか。
そこで今回は、保湿力の高いファンデーションの成分をはじめ、ファンデーションのタイプ別に保湿力の高さをみていきたいと思います!
保湿力の高いファンデーションに含まれる成分とは?
保湿力でファンデーションを選ぶときに気になるのが、ファンデーションに配合されている成分ですよね。ここからは、保湿力の高いファンデーションに配合される成分をチェックしてみましょう!
ヒアルロン酸
「ヒアルロン酸」とはグリコサミノグリカン(酸性ムコ多糖類)の1種であり、肌や目をはじめ関節などにある成分です。赤ちゃんのぷるぷるした肌を支えている成分こそ、このヒアルロン酸です。
ヒアルロン酸は真皮の中にあり、水分の保持やクッションの役割を担っています。その保湿力の高さから、エイジングケア化粧品や保湿ファンデーションなどによく使われます。
コラーゲン
「コラーゲン」はアミノ酸の1種であり、真皮や骨などにある成分です。コラーゲンにはさまざまな種類があり、とくに肌と関係が深いのはⅠ型・Ⅲ型・Ⅳ型です。
コラーゲンの保湿効果は肌のバリア機能を改善したり、ターンオーバーを正常化したりできると言われています。コラーゲンが配合されたファンデーションを使用することで、乾燥を防ぐ効果が期待できるでしょう。
セラミド
近年、肌の潤いを保つ成分として注目されているのが「セラミド」です。セラミドは表皮の1番上の層にある「角質細胞間脂質」を構成する成分の1つであり、肌の水分保持力を高める働きをもちます。
セラミドは水溶性と脂溶性の性質を併せ持つことからスキンケア化粧品で補うことが推奨されていますが、最近はセラミドが配合されたファンデーションも市販されています。
スクワラン
「スクワラン」とは、人がもつスクワレンという成分を水素添加させた成分です。スクワレンは皮脂に5%程度含まれており、表皮に分泌されることで汗と混じって皮脂膜になります。この皮脂膜は、細菌や花粉などの外部刺激から肌を守るバリア機能を担っています。
スクワランは皮脂膜に近い働きを持つので、水分の蒸発を防いでくれます。その結果、乾燥肌の原因を減らして肌悩みを改善してくれるので、スキンケア化粧品やファンデーションによく使われます。
ファンデーションの保湿力をタイプ別でチェック!
続いて、ファンデーションの保湿力をタイプ別でチェックしてみましょう。もしかしたら、よかれと思って使っているファンデーションが肌の乾燥を招いているのかも!
パウダーファンデーション
「パウダーファンデーション」とは、パウダーを押し固めたファンデーションのことです。油分が少なく、界面活性剤や防腐剤などの添加物が使われていないものも多いため肌に優しいと言えます。余分な油分をパウダーが吸収してくれるので、普通肌から脂性肌の方に適しています。
リキッドファンデーション
油分が多い「リキッドファンデーション」は、水分保持力に優れているファンデーションです。しかし、油性成分が主となるので肌トラブルが起きやすく、敏感肌の方や乾燥肌の方には避けるのが無難でしょう。
リキッドファンデーションは水分と油分の分離を抑えるために、界面活性剤や防腐剤などが多く添加されています。そのため、いくら水分保持力が高くても肌に刺激がかかってしまい、結果として保湿効果よりも化学物質の影響を受けてしまうことがあります。
クリームファンデーション
リキッドファンデーションよりも、さらに油分が多い「クリームファンデーション」。保湿力は高いものの、リキッドファンデーションと同様に界面活性剤や防腐剤などが多く添加されています。
クッションファンデーション
液状ですばやく使える「クッションファンデーション」は、韓国生まれの化粧品です。スポンジでできたクッションにリキッドファンデーションやBBクリームなどが含まれた状態で販売されており、保湿力の高さがポイントです。
しかし、クッションファンデーションもリキッドやクリームと同様に、保湿効果よりも化学物質の影響を受けてしまうことがあるので注意したいですね。
エマルジョンファンデーション
「エマルジョンファンデーション」とは、肌に伸ばしたときは液状で次第に成分が蒸発してパウダーに変わるタイプのファンデーションです。パウダーファンデーションとクリームファンデーションのよい性質を組み合わせており、どんな肌質にも合うとされています。
ルースファンデーション
「ルースファンデーション」とは、サラサラしたパウダー状のファンデーションのことです。軽いつけ心地から分かるように油分が含まれていないので、肌への負担を抑えることができます。
ルースファンデーションは保湿力に劣るように思えますが、最近は保湿成分が配合された商品が多く見られます。
保湿力でファンデーションを選ぶ際の注意点
肌質によって選ぶべきファンデーションは異なりますが、保湿力でファンデーションを選ぶ際に注意したいことは基本的には同じです。以下の注意点を押さえて、乾燥知らずの肌を手に入れましょう!
肌への刺激となる化学物質
先ほども触れましたが、リキッドタイプやクリームタイプといった液体状のファンデーションは、水分と油分の分離や雑菌の繁殖を抑える必要があります。そのため、パウダーファンデーションには添加せずに済む界面活性剤や防腐剤などを多く添加しており、肌への負担が大きくなってしまいます。
肌の保湿と負担を考えるなら、水と油を混ぜ合わせる乳化作用を出す「合成界面活性剤」やアレルギー反応を起こす恐れのある「防腐剤」、ホルモンバランスを崩す恐れのある「石油系合成香料」が使用されていないファンデーションを選びたいところです。
ベースメイク用品に多く含まれる「タルク」
「タルク」とは硬度が低く最も軟らかい鉱物であり、粉末状にすることで滑らかさを現す成分です。ベースメイク用品やベビーパウダーに多く含まれる成分であり、タルク自体に毒性はないとされています。
しかし、数十年前にアスベストを含んだタルクがベビーパウダーに使われていたことがあり、タルクの製造に規制のない国で製造された商品については注意が必要です。
ミネラルファンデーションは安心?
最近では、低刺激かつ保湿効果があると謳われた「ミネラルファンデーション」も人気ですよね。しかし、ミネラルファンデーションだから安心というわけでもないのです。
じつは、ミネラルファンデーションと表示されて市販されている商品の中には、さまざまな添加物が含まれたものが多くあります。なぜなら、日本ではミネラルファンデーションの表示に対する規制がないから。つまり、たった1%でもミネラルが含まれていればミネラルファンデーションと表示できるということです。
ミネラルファンデーションを購入する際は、必ず成分表示を確認するようにしましょう。
オーガニック化粧品=安全ではない
それなら「オーガニック」と表記されているファンデーションはどうでしょうか? 保湿力があると謳われているファンデーションも多く、なんとなく肌に優しい気がしますよね。
しかし、オーガニックだから安全ということはありません。オーガニックのファンデーションには植物エキスが多く配合されており、それらに含まれる不純物が刺激となる場合もあるのです。
ナノ化技術を使用したファンデーション
ナノ化技術とは、粒子をナノレベルまで細かくして肌に浸透しやすくする技術です。ナノ化技術を使用したファンデーションは白浮きを防止できると人気ですが、肌のキメやしわに入り込むと残留しやすいので注意が必要です。
まとめ
たしかにリキッドタイプやクリームタイプは保湿力がありますが、肌への刺激を考えるとパウダータイプを選びたいところです。ファンデーションを選ぶ際は「保湿力が高そう」「敏感肌や乾燥肌に良さそう」とイメージで決めつけるのではなく、成分や特徴をしっかり確認することが大事ですね!