肌の乾燥を招く要因とは?乾燥対策やスキンケアのポイントも!

乾燥によって肌の表面が白く粉を吹いたり、かゆみや痛みが生じたり…そんな肌の乾燥を「生まれつきの乾燥肌だから」と諦めていませんか?
いわゆる乾燥肌と呼ばれる状態は、大きく3つの要因によって引き起こされると言われています。
そこで今回は、肌の乾燥を招く要因から対策、スキンケアのポイントまで詳しくご紹介します。肌のうるおいを取り戻し、肌悩みにサヨナラしましょう!

乾燥肌を引き起こす3つの要因
私たちの肌は皮脂膜・NMF(天然保湿因子)・セラミドの3大要素によって水分を保持しています。この3大要素がバリアを作り、外部刺激やアレルゲンから肌を守っているのですが、加齢や生活習慣によってバリア機能が破壊されてしまうと肌の乾燥が進行してしまいます。
ここからは、乾燥肌を引き起こす要因について詳しく見ていきましょう。
要因1:皮脂量の低下
肌の水分保持に重要な役割を担っているのが、皮脂が作る皮脂膜です。皮脂膜は「天然のクリーム」と呼ばれることから分かるように、肌にある水分の蒸発を防いだり、肌の滑らかさを保ったりするありがたい存在です。
しかし、皮脂の分泌は20~30代をピークに減少します。基本的に皮脂は皮脂腺から1日に約1~2g分泌されると言われていますが、皮脂の分泌は加齢とともに減少するほか、環境や体質によっても変化します。とくに目の周りや口元、四肢の外側が乾燥しやすいのは、元々皮脂腺が少ないためです。
要因2:天然保湿因子(=NMF)量の低下
天然保湿因子(=NMF)とは、表皮の角質層にある成分です。角層の水分を守る保湿物質の1つであり、アミノ酸類・乳酸・尿素・クエン酸塩などから成ります。
天然保湿因子(=NMF)はターンオーバーの過程で作り出されますが、加齢や紫外線やアレルゲンなどの外部刺激、睡眠不足、ストレスなどでターンオーバーが乱れると、NMFまで低下してしまいます。
要因3:細胞間脂質の減少
細胞間脂質とは、肌のバリア機能をきちんと働かせるために欠かせない「セラミド」をはじめ、遊離脂肪酸やコレステロールなどからできている構成要素です。この細胞間脂質は角質細胞同士の隙間を埋め、外部刺激の侵入や体内の水分の蒸散を防ぐ役割を担っています。
細胞間脂質は過剰な洗顔や摩擦、紫外線の影響などで角質層が傷つけられると流出してしまいます。また、細胞間脂質はターンオーバーの過程で作られる物質なので、加齢によってターンオーバーの周期が遅くなるとその分減少してしまうのです。
覚えておきたい!肌の乾燥対策
「肌が乾燥するのは年齢のせい」「生まれつきの肌質のせい」と諦めるのは、まだ早い! ここからは、乾燥肌に対する具体的な対策を5つご紹介します。
室内の湿度を50~60%に保つ
肌の乾燥を防止するには、室内の湿度を50~60%に保つことがおすすめです。60%を超えるとカビが発生しやすくなるのでご注意を。
加湿器がある場合は利用して、加湿器がない場合は濡らしたタオルを干しておくだけでも効果が期待できるのだとか。
長風呂しない
ゆっくりお風呂に浸かって、リラックス…そんなふうに1日の終わりのバスタイムを楽しみにしている人もいると思いますが、長風呂は肌の保湿成分が流出してしまう恐れがあるので要注意。できれば38~40℃のゆるめのお湯にし、入浴時間は10分程度に留めましょう。
入浴剤を使用する場合は、保湿効果のあるセラミド入りのものがおすすめです。
ストレスを溜めない
ストレスと肌の乾燥が関係しているとは想像しにくいですよね?しかし、自律神経によって正常に機能している肌は、ストレスによるダメージによって保湿成分を作り出せなくなったり、皮脂をうまく分泌できなくなったりするのです。
肌のコンディションを整える食事
生活習慣や保湿ケアも大事ですが、それと同様に食生活も肌のコンディションも大きく関わっています。肌のコンディションを整える食材を毎日の食事に取り入れ、肌の乾燥を防止しましょう。
とくに積極的に摂りたいのが、肌の細胞の生まれ変わりに重要な「必須脂肪酸」です。必須脂肪酸とは、魚介類に多く含まれる脂質のこと。この必須脂肪酸には「オメガ6系脂肪酸」と「オメガ3系脂肪酸」があり、厚生労働省において推奨摂取量が定められています。
クリニックを受診する
アトピー性皮膚炎や乾燥性湿疹など、セルフケアでは治せない皮膚疾患もあります。そうした場合は自己流の対策をすることで症状が悪化するケースもあるので、早い段階で皮膚科を受診するようにしましょう。
肌の乾燥に悩んでいる人必見!スキンケアのポイント4つ
肌の乾燥を防ぐうえで、保湿ケアは欠かせません。それでは、乾燥肌の人はどのようなことに気をつけてスキンケアすべきなのでしょうか?
ポイント1:洗浄力が弱めのクレンジングに変える
スキンケアといえば化粧水や乳液に注目しがちですが、じつはクレンジング選びも重要です。現段階でオイルタイプのクレンジングを使用している人は、洗浄力が弱めのミルクタイプのクレンジングに変えてみてください。おそらく、肌のつっぱりや乾燥を感じにくくなるはずです。
もしミルクタイプのクレンジングでメイクの落ちにくさを感じたら、ポイントメイクリムーバーを使用しましょう。
ポイント2:保湿成分が配合されたスキンケア化粧品を選ぶ
保湿成分として代表的なのが、
- ヒアルロン酸
- コラーゲン
- エラスチン
- セラミド
といった成分です。
ただし、市販のスキンケア化粧品のほとんどは厳密な配合量を明記していません。そこで保湿成分が多く配合された商品を選ぶには「記載された順番」に注目する必要があります。
成分表示は配合量の多いものから順に記載されているため、できるだけ上の方に保湿成分が記載された商品を選ぶとよいでしょう。
ポイント3:摩擦を与えない
スキンケアの中でとくに気をつけたいのが、肌への摩擦です。例えば、洗顔する際に肌を擦ったり、化粧水を塗るときに強い力でパッティングしたり…。また、コットンを使って化粧水を肌に浸透させるのは良いことですが、コットンの刺激が肌に負担をかけることもあるので注意しましょう。
そのほか、ふき取りタイプのクレンジングや化粧水を頻繁に使うのは避けたいですね。スキンケアはとにかく優しい力で肌にのせ、必要以上に肌を擦らないよう意識しましょう。
ポイント4:ワセリンで水分の蒸発を防ぐ
乾燥がひどい場合は、たっぷりの化粧水で肌の水分補給を終えた後に「ワセリン」で肌表面を保護してもよいでしょう。ワセリンで肌の水分を閉じ込め、フタをするイメージです。
ワセリンは種類がある!
比較的精製度が低く、黄色っぽい色をしているものを黄色ワセリンといいます。これは「雑貨品」という区分になり、医薬品や医薬部外品にはなりません。安くて、どこでも手に入るという点が便利ですね。
一口にワセリンといっても、ワセリンには安くてどこでも手に入る「黄色ワセリン」、黄色ワセリンをさらに精製して不純物を取り除いた「白色ワセリン」、白色ワセリンを精製した「プロペト」など様々な種類があります。白色ワセリンは医薬品もしくは化粧油として販売されており、乾燥肌の救世主とも言われています。
ただし、ワセリンは過剰に油分を与えることになるため、ニキビや吹き出物の原因になることも。あくまでもレスキューアイテムという位置付けにして、長期間の使用は控えましょう。
まとめ
肌の乾燥は生活習慣や食生活、スキンケアを見直すことによって改善することもありますが、場合によっては自己流のケアが逆効果になることもあります。
なかなか症状が良くならない場合や、だんだんと症状が悪化している場合は早めに皮膚科を受診しましょう。