セラミド配合の化粧品の効果とは?種類や選ぶポイントも

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スキンケア

肌のバリア機能を維持し、肌本来の保湿力をサポートする保湿成分として注目されている「セラミド」。近年、セラミドが配合されているスキンケア化粧品が開発され、市販されるようになってきていますね。
しかし、一口にセラミドといってもさまざまな種類があり、それぞれ特徴や効果が異なると知っていますか?

そこで今回は、セラミド配合の化粧品について詳しく解説します。選ぶポイントも記載しているので、購入する際の参考にしてみてくださいね!

そもそも「セラミド」とは?

「セラミド」とは、外部刺激から肌を守るバリア機能の役割を果たしたり、肌の水分を保持したりする成分です。
そもそもセラミドは人の肌に元々ある成分のひとつであり、表皮の最も外側にある「角質層」に存在しています。また、その角質層の内側には細胞同士をつなぐ「細胞間脂質」があり、セラミドは細胞間脂質の約50%を占めているのだとか!
つまり、セラミドが不足すると細胞間脂質は十分に水分を保持できなくなるため、肌の乾燥やバリア機能の低下を招いてしまうのです。
そして、このセラミドは加齢や紫外線によるダメージ、日々のスキンケアによる摩擦などによって減少していくことが分かっています。セラミドが配合されたスキンケア化粧品は、このように減少してしまったセラミドを補う役目を担っているのです。

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化粧品に配合されているセラミドの種類

じつは、スキンケア化粧品に配合されているセラミドにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。ここでは、スキンケア化粧品に配合される代表的な5つのセラミドをご紹介します。

天然セラミド

「天然セラミド」とは、主に馬の脳や脊髄などから抽出した動物由来のセラミドです。「ビオセラミド」「セレブロシド」と呼ばれることもあり、化粧品の成分表示には「ビオセラミド」「セレブロシド」「ウマスフィンゴ脂質」などと表記されています。
天然セラミドは人間の細胞間脂質と近いため、肌に浸透しやすく肌なじみが良いのが特徴で。保湿力にも優れており、壊れたバリア機能や肌トラブルを改善する働きがあります。
ただし、天然セラミドには価格が高いというデメリットがあり、安いものでも5,000円から、高いものになると20,000円を超えてしまうことも…。

ヒト型セラミド

「ヒト型セラミド」とは、酵母を利用して生成したセラミドです。「バイオセラミド」とも呼ばれ、成分表示には「セラミドEOP」「セラミドAP」などと表記されています。このヒト型セラミドはヒトの肌にあるセラミドとほぼ同じ構造をしているため、肌なじみが良く保湿力や浸透力に優れています。
ヒト型セラミドは、さらにセラミド1からセラミド7まで7種類が確認されています。

合成セラミド

「合成セラミド」とは石油原料から化学合成した、セラミドに似た働きをする物質です。「疑似セラミド」とも呼ばれ、大量生産が可能なため安価で販売されています。
しかし、天然セラミドやヒト型セラミドに比べると、効果は小さいと言われています。

植物性セラミド

「植物性セラミド」とは、米ぬか油・小麦胚芽油・大豆・トウモロコシ・コンニャクなどが由来のセラミドです。成分表示には「植物性セラミド」「コメヌカスフィンゴ糖物質」などと表記されています。
植物由来の植物性セラミドは化粧品やサプリメントに配合しても刺激になりにくく、アレルゲンになりにくいことで注目されています。また、肌への浸透力が高く、安価なのも特徴です。
しかし、動物性のセラミドに比べると多少効果が小さいうえ、米・麦・大豆などをアレルゲンとする人にはおすすめできません。

ミルクセラミド

「ミルクセラミド」とは、その名の通り牛乳から抽出されるセラミドです。
どのタイプのセラミドも合成する際には「スフィンゴミエリン」と呼ばれるリン脂質の一種が必要になりますが、牛乳にはこのスフィンゴミエリンが豊富に含まれているのです。
ミルクセラミドは近年の研究で植物性セラミドより吸収性が高いことが報告されており、数あるセラミドのなかでもとくに注目を集めている種類だと言えるでしょう。

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セラミド配合の化粧品の効果

スキンケア化粧品に配合されるセラミドには、さまざまな種類があることが分かりました。続いて、上記5つのセラミドに共通する効果をチェックしてみましょう。

保湿力に優れている

セラミドを配合したスキンケア化粧品は、非常に高い保湿効果が期待できると言われています。その理由は、分子量が小さいセラミドは皮膚の内部にまで浸透できるためです。
じつは保湿成分として有名なコラーゲンやヒアルロン酸は意外と分子量が大きく、セラミドに比べると肌なじみはイマイチ…。セラミドが肌なじみ良く感じるのは、コラーゲンやヒアルロン酸よりも肌にしっかり浸透しているからなのでしょう。

また、セラミドが配合された化粧品は、肌に塗ってから最大で24時間保湿力が維持されるとも言われています。このように、肌なじみが良いうえに水分をしっかり抱え込んでくれるセラミドは、保湿成分として優れた効果があると言えます。

肌のバリア機能をサポートする

紫外線や気温の変化、ハウスダストなどのアレルゲンといった外部刺激から肌を守る役割を担っているセラミド。このセラミドが減少すると、肌のバリア機能が低下して乾燥肌や敏感肌を引き起こしやすくなると言われています。
アトピー性皮膚炎の方は元々体内のセラミドの量が少なく、肌のバリア機能が弱いため外部刺激を受けやすいとされているのだとか。

乾燥・肌荒れを防ぐ

肌のバリア機能が高まると、乾燥や肌荒れといった肌トラブルを解消できます。肌荒れを治すには角質層の細胞間脂質を健全な状態に保つ必要があるので、セラミドが配合されたスキンケア化粧品が役立つというワケです。

シミ・しわ・たるみを作りにくくする

水分保持機能をもつセラミドには、シミ・しわ・たるみを作りにくくする効果があります。こうした肌老化を防ぐ効果が期待できるため、セラミドは多くのエイジング化粧品に含まれているのです。

セラミド配合の化粧品を選ぶポイント4つ

セラミド配合のスキンケア化粧品は、保湿力に優れているうえに元々肌にある成分ということで低刺激なため、敏感肌の方でも使いやすいという特徴があります。
「それなら今すぐにでもセラミド配合のスキンケア化粧品を購入したい!」と思う方もいると思いますが、じつはセラミドが配合されていればどれでもOKということでもないようです。
それでは、一体どのようなものを選べばよいのでしょうか?

ポイント1:「ヒト型セラミド」配合のものを選ぶ

セラミドにはさまざまな種類がありますが、なかでも人の肌に存在するものと同じ構造をもつ「ヒト型セラミド」が配合されたスキンケア化粧品が効果的だとされています。
プチプラ化粧品に配合されていることの多い合成セラミドや植物性セラミドはまったく効果がないというわけではありませんが、ヒト型セラミドの効果には遠く及びません。セラミドの効果を効率よく得るには、多少効果でもヒト型セラミド配合のスキンケア化粧品を選びましょう。

ポイント2:セラミド配合量の多いものを選ぶ

セラミド配合化粧品を選ぶ際には、セラミド配合量をきちんとチェックする必要があります。セラミドの配合量は厳密な記載はされませんが、成分表示は配合量が多いものから順に記載されるためセラミドが上の方に表記されている商品を選びましょう。

ポイント3:トロッとしたテクスチャーのものを選ぶ

セラミドは水に溶けにくい成分なので、サラッとしたものには溶け込みません。つまり、テクスチャーのゆるいサラサラしたものはセラミド配合量が少ないということになります。
反対に、クリームや美容液のようなトロッとした重めのテクスチャーのものはセラミド配合量が多く、保湿力に優れていると言えます。
もしセラミド配合のスキンケア化粧品でどれを選ぶべきか迷った場合は、スキンケア化粧品のなかでも油溶性成分の配合比率が最も高いクリームを選ぶのがおすすめです。

ポイント4:価格が安すぎるものに注意!

最近ではセラミドが配合されたプチプラ化粧品も市販されるようになってきていますが、セラミドそのものは比較的高価なので極端に価格の低い商品には要注意。セラミドが微量しか含まれていない可能性が高く、ヒト型セラミドではない場合がほとんどでしょう。
価格が高ければOKというわけでもありませんが、目安としては1本あたり3,000円以上の商品を選びたいですね。

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まとめ

セラミド配合化粧品は低刺激なので敏感肌の方でも安心して使えると説明しましたが、初めて使用する際はパッチテストを行うことをおすすめします。その他、セラミドは疾患そのものを治癒するものではなく、あくまでも肌のコンディションを良い状態に保つ成分だと理解しておきましょう。
セラミドの正しい知識をもとに、自分にぴったりのスキンケア化粧品を選んでくださいね!

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